Nikon Z7II / Z6II 星景タイムラプス撮影とノイズ除去、4K動画書き出しまで

Nikon Z7II / Z6II のインターバル撮影は、星空から明るい昼間までの連続撮影において、シャッタースピードや劇的な露出変化すべてを滑らかに制御することができる「ホーリーグレイル撮影」が可能です。

夜空から昼間の撮影をカメラ任せで制御できる

星景撮影中に眩しい月や太陽が昇ってきて、刻々と変化する空の色を適正な露出で連続撮影できます。

さらに連続撮影した写真をカメラ内で「タイムラプス動画」として自動生成する機能がありますが、星景写真の場合はISO感度を高めに設定して撮影するのでノイズが発生します。当然カメラ内で生成される「タイムラプス動画」もノイズが発生した状態で生成されます。

ノイズ処理後の画像

ノイズ状態では作品にはならないので、撮影データにノイズ除去処理を行いタイムラプス動画として書き出し、編集しています。
カメラやソフトウェアの進化で、タイムラプス動画の作り方は変化しますが、現在のワークフローを紹介します。

カメラの設定
1. マニュアル撮影で構図を確認
2. ISO感度設定
3. インターバル撮影開始

撮影後の作業
4. DxO PureRAW 2 でノイズ除去処理
5. Adobe Lightroom Classic でRAW現像
6. QuickTime Player で4Kムービー作成
7. Adobe Premiere Pro で動画編集

1. 星景撮影「マニュアル」設定方法

レンズはマニュアルでピントを合わせる。
カメラはMモード(マニュアル)※後述するインターバルタイマー撮影時にAモードに戻す。
構図を決めるだけなので、ISOは10000、SS15秒で撮影して風景や星空を確認。
構図が決まったら下記の「ISO感度設定」に進む。

2. 星景撮影「ISO感度」設定方法

静止画撮影メニュー → ISO感度設定
・ISO感度 : 10000(下記上限の範囲内で自動制御)
・感度自動制御 : する
・制御上限感度 : 10000(レンズの明るさによる)
・低速限界設定 : 15(星景の場合は約15秒程度、昼間の雲などは2秒程度)

3. 星景撮影「インターバル撮影」設定方法

静止画撮影メニュー → インターバルタイマー撮影
・開始日時の設定 : 即時
・撮影間隔 : 00:00’17″(低速限界設定 : 15 プラス2秒 ※間隔が短いと×)
・撮影回数×1回のコマ数 : 1000×1(15秒×1000枚で約4時間程度)
・露出平滑化 : ON
・サイレント撮影 : ON
・撮影間隔優先 : ON
・撮影間隔毎のAF駆動 : OFF
・オプション : タイプラプス動画 → 画像サイズ → 2160 60P
(タイムラプス動画を自動生成しない場合は”しない”を選択)


インターバルタイマー撮影 → 撮影開始
※インターバルタイマー撮影開始する時はカメラをAモード(絞り優先)にする。Mモードのままだと撮影開始できない。

4. 「DxO PureRAW 2」でノイズ除去処理(Mac使用)

DxO PureRAW 2 は撮影データのノイズ除去処理を自動で行いRAWで書き出し。
Adobe Lightroom や PhotoshopでRAW画質を保ったまま編集が可能になります。

使い方は簡単で画像ファイルをまとめてアプリのアイコンにドラッグするだけ。
ファイル数が多くエラーが出る場合は処理する枚数を減らす。
PCのスペックにもよりますが、800枚くらいは処理できました。

 

処理方法「DeepPRIME」、出力形式「DNG」。
700枚で5時間未満、ひたすら待ち時間。夜間に仕掛ける場合が多いです。

DxO PureRAW 2 にてノイズ処理後と撮影画像の比較。星像は残しつつ背景のザラつきを抑えます。

5. 「Adobe Lightroom Classic」でRAW現像(Mac使用)

現像ソフト Adobe Lightroom Classic で最終仕上げ。

Adobe Lightroom Classic に DxO PureRAW 2で書き出したフォルダを読み込む。
適当な1枚を選択して、暗部の明度やホワイトバランス等の微調整を行う。

 

好みの現像に仕上げたら、ファイルを全選択して「同期」をクリック。
連続撮影した全ての写真に現像設定が反映されます。

 

全選択したまま「書き出し」を実行。
書き出し設定はJPG形式 画質100。
4K動画を想定し、横幅を3,840pixel 以上、解像度72pixel。

6. 「QuickTime Player」で4K動画作成(Mac使用)

Lightroomで書き出したファイルを QuickTime Player に読み込み4K動画を書き出す。

QuickTime Player「ファイル」→「イメージシーケンスを開く」
Lightroomで書き出した写真データを全選択。
・解像度 : 4K
・フレームレート : 59.94 or 60フレーム
・エンコード対象 : 互換性重視
上記を設定して「開く」を選択すると動画が作成される。
動画ファイルを再生して確認後に
・書き出す → 4K → 互換性重視 → 保存

以上でノイズレスなタイムラプス動画が仕上がります。

7. 「Adobe Premiere Pro」で動画編集

全ての素材が揃ったら Adobe Premiere Pro で動画編集。

Adobe Premiere Pro に動画素材を読み込んで音楽を入れて完成。
動画編集は奥が深くまだまだ勉強中。