大雪山黒岳でペルセウス座流星群を狙う


2018年のペルセウス座流星群は8月13日に極大を迎えると予想され、8月11日が新月のため月明かりの影響がない。この時期に毎年続けていた北アルプス遠征登山、今年は道内の山を巡り星を撮りたいと計画していたけど、天気予報は見事なほど雨続き。
11日も小雨が降っていましたが雲の晴れ間を期待しつつ、ペセウス座流星群を狙って大雪山黒岳へテン泊してきました。

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テン泊なので昼過ぎの遅いスタート。小雨も降っています。


黒岳石室のテン場までは距離も短いので、天気が良ければテント設営の後に、御鉢平や北鎮岳まで散歩もしたかった。


視界がないので黙々と登る。カメラ機材とテン泊装備で17kgに抑えた。黒岳石室では水を確保できるので助かる。飲料水や調理用の水を持って行くと20kg近くなってしまい、元々体力がない上にトレーニング不足の身体にはキツい。


時々ガスが晴れ、雲海が見えたり、


ガスに覆われ雨が降ったり忙しい天気です。


山頂直下、石室方面は晴れていて欲しいと祈る。


黒岳山頂到着。北鎮岳から雲が湧き上がってくる。


晴れ間が出ているうちに急いでテント設営。この後晴れることはなかった。絶望的な重たい雲に包まれていくテン場。


小雨も降ってきたのでテント内で食事。次第に暗くなっていき雨音を聞きながらいつの間にか寝ていた。


夜9時頃、外からスゲーー!とかオーー!とか声が聞こえてくる。もしかして?急いでカメラを持ちテントの外へ。


慌てて三脚に固定、星撮りの設定をしてピントを合わせて撮った最初の一枚。星景写真はCapture NX-DでJPG書き出し、全て無加工写真です。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、20秒、ISO8000、WB3800K。


北側、桂月岳方向。ガスがかかり天然ソフトフィルター。撮影している間も霧雨が降っています。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、20秒、ISO8000、WB3800K。


全身もカメラも濡れていくけど、今しか撮れないかもと夢中でシャッターを切る。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、20秒、ISO8000、WB3800K。


天の川の核心部分さそり座付近は雲が流れてきて全体像が見えない。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、20秒、ISO8000、WB3800K。


肉眼では流星が見えたけど写真にはなかなか写ってくれません。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、20秒、ISO8000、WB3800K。


黒岳方向にカメラを向けた時に流星らしき光が流れたけど、イリジウムフレアっぽいですね。人工衛星のパネル等が太陽光を反射して光る現象です。イリジウムフレアも狙って撮れるものではないのでラッキーですけど。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、25秒、ISO8000、WB3800K。


天頂には夏の大三角形が見えた。やっぱり山の上で見る夜空は星の数が違う。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、25秒、ISO8000、WB3800K。


最後に流星写真が撮れた。じっくりと構図を考える余裕もなく、雨風の状況ではレンズ交換は不可能。それでも短時間で次々とシャッターを切る。撮影には悪条件だったけど貴重な経験が出来たとポジティブに捉えよう。
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED。F3.2、25秒、ISO8000、WB3800K。


小雨の中でレンズの水滴を拭き取りながらの撮影でした。


テントに戻るとレンズもカメラも結露で一気に曇るので、レンズ周りや根本をヒーターで温める。これの繰り返し。テント泊での星撮りにはレンズヒーターは必需品です。乾燥後はレンズペンで水滴跡を拭き取る。


翌朝は少し晴れ間が見えていた。夜眠れなかったので起きた時はすっかり明るくなっていて日の出雲海は寝過ごす。


チングルマを撮りながら下山開始。


黒岳山頂から見た景色は雲海が広がっていた。


2018年のペルセウス座流星群は厳しい天候条件だったけど、なんとか目標としていた山の上で撮影することが出来た。北海道の夏山はもう終わりの時期ですが、今年も山の上から秋の静かな星空を楽しみたい。